外向き抱っこをしない9つの理由
外向き抱っこをしない9つの理由
オーストラリアのCatherine Fowler博士は2011年のCBS.comの取材で、赤ちゃんに外を向かせて抱っこしている親は「残酷で利己的だ」とコメントしました。実際、博士の話の記録として、彼らは「注意を怠って残酷」とあります。私は人々をジャッジしようというのではないのです。
外向きに抱っこをして通りを歩いても子どもの発達や健康を損なうことはないでしょう。親が自ら進んで子どもに残酷な選択をすることはないでしょうから。
しかしながら、もしお子さんがいて視野を変えて世界に真正面から向き合うときになったと思うなら、外向きの抱っこがなぜ理想的ではないのかのいくつかの理由がここにあります。
(もちろん参考にしていただくためのものです。)
外向き抱っこをすると・・・
1.赤ちゃんの脚を支えません
赤ちゃんの太股部分は少なくとも腰と同じ高さまで引き上げる必要があります。これは抱っこ紐の布が膝の裏側まで太ももの下全体を覆っている場合や、抱っこ紐に調整できるシートがついている場合、またはフットストラップがある場合にのみ可能なのです。
赤ちゃんが脚を支えていない状態で正面を向いている場合、脚がぶら下がっているだけではありません。背骨と腰も支えがなく、赤ちゃんがすわる場所(シート)がありません。
International Hip Dysplasia Institute( 国際股関節形成異常症研究所)による医学研究と、さまざまなタイプの抱っこ紐における幼児の生体力学を確認してください。太もも部分を支える抱っこ紐は、適切な股関節の発達を促します。しかしながら前向きの抱っこ紐は小さなヒップを支えません。すでに先天性股関節脱臼と診断を受けた赤ちゃんは、正面を向く抱っこ紐は避けなければなりません。
2.赤ちゃんを抱っこすることがつらくなり、抱っこをする大人の背中にも良くはなでしょう
あなたの身体から離れるようにカーブしているものを運ぶことは、あなたに寄り添ってくるものを運ぶことと比べると、ずっと労力がいることなのです。外向きの抱っこ紐は抱っこをするあなたにも負担がかかり、不自然に背中を反らすことにもなります。
赤ちゃんの身体はあなたに顔を向けた姿勢で抱っこをされることがごく自然です。
3.背骨に圧をかける湾曲やくぼんだ姿勢に赤ちゃんを固定します
背中を伸ばすこと(眠りから覚めたときの伸びのように)はそれ自身は何も悪いことはありません。問題は負荷を持たせられる「くぼんだ背中」にあります。幼児を前向きの抱っこ紐で抱っこをすると背骨の自然な丸みをおびた曲線が伸び、「くぼんだ背中」になります。
幼児はしがみつくことができず、腹筋は発達をしていないですし、肩は引っ込められているために骨盤を後方に傾けて自分の体重を支えなければいけないばかりか、骨盤で大人がするすべての動きの衝撃を受け止めなければならないのです。小さな子の背骨は抵抗ができません。
4.脚の付け根に過度の圧力をかけます。赤ちゃんの太ももの皮膚が擦れます
摩擦がいい訳はありません。身体の敏感な股の部分で吊り下げることに注意してください。特に小さな男の子に注意が必要です。
5.赤ちゃんに強すぎる刺激をあたえることがあります
赤ちゃんは親と向き合って自分のペースを守りつつまわりの世界を体験するものです。
幼児はたやすく圧倒されてしまいます。外向きの抱っこでは頭も脳も休めることができません。
6.頭と首をサポートしていません
赤ちゃんが眠ったとき、頭頸部(頭と首)は支えられている必要があります。母親と向きあって包まれるように抱っこされている赤ちゃんは自然に親の胸元にもたれます。ベビーラップやベビーキャリアや使用している場合は、赤ちゃんの頭を布の下に位置させることでさらにサポートすることができます。フードがある場合は使用して支えます。
顔の位置での窒息についてもここで述べておきたいです。赤ちゃんが首をコントロールできず、あごが胸に向かって落ちたときにそれは起きてしまいます。
まだ小さな赤ちゃんを気道が妨げられるような姿勢にしてはいけないのです。
米国消費者製品安全委員会は最近、外向きキャリアの警告ラベルに、適切な頭頸部の発達があるまで赤ちゃんが顔を出すべきではないと記載する法律を可決しました。法律は、眠っている幼児が首や頭をコントロールできないことについて言及することを怠っています。
7.体温調節を困難にします
赤ちゃんが母親の胸に向かっているときの姿勢は、身体の前に何もないときよりも体温の維持に効果的です。赤ちゃんは身体の前よりも、背中側に多くの脂肪細胞(保温保冷機能)を持っています。「赤ちゃんを抱っこすると熱いわ」という反論があるかもしれませんが、母親の胸が実際に赤ちゃんを冷やし落ち着かせることを示した研究もあります。
8.赤ちゃんの要求に応えてあげることができません
アイコンタクトがないことは赤ちゃんとのコミュニケーションを難しくします。
気道を確認したり、ゲップをみたり、手助けしたり、排泄のお知らせの練習や要求を知ることが困難になります。
ベビーカーで外を向くことでさえ、赤ちゃんに呼応する養育者の能力を妨げることを示す研究があります。
9.赤ちゃんを重力の中に放り出します
外向きの抱っこをしている大人は、赤ちゃんがつかめるように赤ちゃんの前に指を伸ばして出し、赤ちゃんを安定させようとします。または、親は赤ちゃんの脚を上に持ち上げて安定させようと試みます。しかし赤ちゃんには座るシートがなく、赤ちゃんの前につかむものがないので自分の身体の重さから背中を自然なカーブにすることは難しいのです。
外を向かせて抱っこをすることは最良の選択ではないのです。
赤ちゃんを抱きしめてください。赤ちゃんにあなたを抱きしめさせてあげてください。それこそが赤ちゃんに適していて、当然のことなのです。
原文:https://boba.com/blogs/boba-reads/nine-reasons-not-to-carry-your-baby-facing-out
2018年5月1日