股関節の形成異常症とベビーウェアリングについて | 抱っこひも ボバ

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股関節の形成異常症とベビーウェアリングについて

股関節の形成異常症とベビーウェアリングについて

小児整形外科手術のパイオニアであり、数多くの論文を発表している赤ちゃんの股関節研究についての第一人者
国際股関節形成異常症研究所チャールズプライス医学博士へのインタビュー

 

 

 

“There might be a lot more benefit from proper babywearing than meets the eye.”
Dr.Charles Price

「正しいベビーウェアリングは、目を合わせるよりも多くのベネフィットがあるかもしれません。」
チャールズプライス博士

 

 

Boba)親は股関節の健康に関心があります。股関節の形成異常症とベビーウェアリングについて教えていただけますか。

Dr.プライス)健康な股関節については親御さんが関心を持つべきことなのです。と言いますのは、6人に1人の赤ちゃんが生まれながらに不安定性を持っています。
これは通常成長とともに自然に改善するのですが、股関節形成異常症は股関節炎の一般的な原因でもあります。50歳までに発生する股関節の問題の4分の1は股関節形成異常に起因しています。

人生の最初の6ヶ月。これが股関節形成異常症を容易に防止できる唯一の時間です。数多くの研究が、この期間の赤ちゃんの腰の位置が股関節の発達に大きな影響を与えることを示しています。
姿勢が正しくないと股関節の不安定性の自然な改善がさまたげられ、腰がずれてしまうことがあります。足を真っ直ぐにして揃えて縛ることは深刻な害を引き起こす可能性があります。対照的に、腰を自然な姿勢に保つことはずっと健康的です。数件のドイツの古い研究にも幼児期に股関節を適切な位置に保つM字姿勢をすすめるものがあります。

 

 

Boba)プライス博士自身とInternational Hip Dysplasia Institute(国際股関節形成異常症研究所)での股関節の健康を研究されていることについてお話しいただけますか。

 

Dr.プライス)子どもの股関節の問題は私のキャリアの関心の一つです。10年以上前、私はタレントのラリーザケーブルガイとその妻カーラの息子を診る機会がありました。今は彼らの息子は元気で健康です。カーラは股関節形成異常に関するインターネット上の情報が十分ではなく、医師会は股関節形成異常について十分な注意喚起を行っていないと心配していました。

 

股関節形成異常は非常に一般的であることと、治療には薬や高価な外科用インプラントは必要がないことを説明しました。
解決策を見つけるためのインダストリーファンドはそれほど多くはなかったのですが、カーラとラリーザケーブルガイは状況を変えるべく努力をし、5百万ドルを超えました。
それにより素晴らしいスタートをきれましたし、優位に立てました。ラリー・ザ・ケーブル・ガイ(Larry the Cable Guy)の活動を続ける方法を見つけることができれば、本当に劇的な変化になります。

 

 

Boba)博士は間違ったスワドリングが股関節脱臼を引き起こす可能性があることについて多くのことを述べられていますね。不適切なベビーウェアリングのリスクについてお話しいただけますか。ベビーウェアリングが股関節形成異常の原因になったり悪化させたりするのでしょうか?

 

Dr.プライス)間違ったベビーウェアリングの危険性は、間違ったスワドリングの危険性のようには明確に定義されていません。国際股関節形成異常症研究所はそれを正す活動を行い、現在リサーチプロジェクトが進行中です。足を閉じる(揃える)ほとんどの道具が腰の不安定性を悪化させる可能性があることは知られています。足がぶら下がらないようにアドバイスする古くからのドイツの研究を支持する最近の研究もあります。ドイツの研究者たちは、太ももの位置でのしっかりとした支えがない状態で脚をさげると、重力によって腰がくぼみ(受け口、ソケット)の中心から離れていることを示唆しています。
適切な成長を促すために、股関節はくぼみの中心を押すことが重要であることは知られています。股関節の発達にもっとも適した位置は知られており、それがM字姿勢です。しかしM字姿勢をどれほど崩しても問題がないのかはわかっていません。

 

ですので判明するまでは、太もも位置での支えが無く、脚が下にぶら下がってしまう抱っこ紐の使用は避けることが最も良い判断です。

Boba)股関節形成異常の危険性のポイントを過ぎるのは何歳でしょうか?

 

Dr.プライス)良い質問ですね。股関節形成異常は何歳でも診うけられます。しかし予防のための大事な期間は人生の最初の6か月間なのです。
股関節は成長の初期段階で速やかに発達するので、股関節形成異常を引き起こしたり悪化させたりするのを避けるために、適切な姿勢が重要です。

生後6か月をすぎると、タイトなスワドリングや足を揃える抱っこひもが股関節の問題を引き起こす可能性はずっと低下します。

 

 

Boba)たくさんの新しいガジェット(道具)が出てきています。赤ちゃんを中にいれるものや、親を落ち着かせるためのものです。博士は、健康的な筋肉の成長を促すために親ができる最良のことはどういったことだとお考えですか?

 

Dr.プライス)そういった新しい道具はいいと思いますよ。私が子育てをしていた頃にもあればよかったなと思います。
親子が対面する向きの抱っこは驚くほどのなだたり落ち着かせたりする効果がありますね。理解いただけると思いますが、母親(もしくは父親)が歩いたり動き回っていたりする場合がより効果的ですね。短い時間であれば、車のシートや、スウィング(バウンサーのようなもの)、それらに近い道具も悪く影響することはないと思います。

その対極(として影響があるの)が、乳児の姿勢が長い時間制限される抱っこやスワドリングです。

 

ハイハイをする前の腹ばいや首すわりの練習の時期(アメリカではタミータイムと言います)の重要性はいくら言っても言いすぎることがありません。首すわりの練習の時期は脊椎の発達を促し、脊椎湾曲症のリスクを減少させます。腹ばいの時間は、身体と運動機能、そして認知機能の発達を促すのです。

「運動は癒しでもある」ということは赤ちゃんにも当てはまるのです。

 

Bobaは健康的なベビーウェアリングの支援者(サポーター)です。Bobaは非常に理想的であり続けています。Bobaは、正しいベビーウェアリングについてより多くのことを私たちに学ばせてくれているのです。
―国際股関節形成異常症研究所チャールズプライス博士

 

 

Dr.プライス)国際股関節形成異常症研究所は、ボバ社の製品を「ヒップヘルシー(股関節に良い)」と認識しています。他にいくつかの他の製品もそう考えているようにです。股関節の健やかさや股関節形成異常症については研究所のサイト、www.hipdysplasia.orgで詳しく知ることができます。アーカンソー大学のエリンマナン博士が国際股関節形成異常症研究所と協力して実施している研究では、抱っこと股関節形成異常および背骨の発達を理解するのに役立つ非常に有用な情報が提供されています。赤ちゃんと目を合わせることよりも(と言えるほどの)多くのメリットが、正しいベビーウェアリングにはあるかもしれません。

 

 

チャールズT.チャド・プライス医学博士

国際股関節形成異常症研究所医学博士

 

テキサス州のベイラー医科大学で医科学校を修了し、フロリダ大学で整形外科手術のトレーニングを受けた後、オーランドヘルスにて医学のキャリアを続ける。 その後、アトランタのスコットランドライト病院の小児整形外科の追加トレーニングを経験。
こどもアーノルドパーマー病院の創設医。小児整形外科医として34年間、小児整形外科フェローシッププログラムを開発し、指導を行う。

全米国においても、Dr.プライスは小児整形外科手術のパイオニアです。彼は、70以上の科学論文、20の教科書の章、骨の伸長、子供の股関節の問題、骨折の治癒および他の研究の話題に関する3冊の書籍を執筆または共同執筆しています。2011年、Dr. プライスは、小児整形外科の進歩に生涯寄与した「Distinguished Achievement Award」を受賞し、北米の小児整形外科学会によって評価されました。
2009年よりアーノルドパーマーメディカルセンター財団が運営する国際股関節形成異常症研究所のディレクターを務めています。
Dr. プライスの業績とIHDI(国際股関節形成異常症研究所)の詳細については、hipdysplasia.orgをご覧ください。