赤ちゃんの姿勢や体幹の発育と、抱っこ紐の選び方(みらい整骨院・整体院院長、川島先生インタビュー ) | 抱っこひも ボバ

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赤ちゃんの姿勢や体幹の発育と、抱っこ紐の選び方(みらい整骨院・整体院院長、川島先生インタビュー )

みらい整骨院・整体院院長川島先生インタビュー

今回のコラムは、年間で約120人もの妊産婦さんの骨盤ケア、子どもの姿勢矯正施術、また、地域の小学校で姿勢に関する講演なども行っている、骨や姿勢の専門家の山口県下関市の「みらい整骨院・整体院」院長の川島一輝さんに、姿勢や体幹の発育と抱っこ紐の選び方を伺います。

 

みらい整骨院・整体院院長川島先生


股関節周りの正常な発育に欠かせないM字開脚


 

−川島さんも現在、6ヶ月のお子さんがいらっしゃいますね。ボバキャリアを実際に使ってみて、いかがでしたか。

 

川島)まず、股関節が自然にM字開脚できるのと、抱っこしているときに密着できるのがとてもいいですね。

赤ちゃんの股関節周りの正常な発育にはM字開脚が欠かせなく、さらに生まれたばかりの赤ちゃんにはM字開脚が心地いい状態なのですが、みなさん怖がって、実はあまり開けていないんですね。

でもボバキャリアを使うと、自然にM字開脚の状態になりますね。

 

M字開脚の仕方

 

みなさんが開脚を怖がるのは、例えば仰向けで寝ている赤ちゃんの膝をいきなり左右に広げようとするからなんです。そうではなくて、おむつ替えをするときに足を上げますよね。そのまま左右の膝を曲げて、半円を描くように自然に左右に下ろしてあげる。それでできた姿勢が、正しいM字開脚です。この方法だと、無理なく「パカッ」て開きますよ。

 

もちろん個人差がありますし、臼蓋(きゅうがい)形成不全といって、生まれつき股関節が開きにくい症状もありますので、無理は禁物です。ただ、臼蓋形成不全は生まれたときにすぐ医師や助産師の方が判断できる症状なので、特に指摘がない場合は、赤ちゃんの様子を見ながらぜひ「パカッ」をしてみてください。

 


赤ちゃんも体幹を鍛えることが重要


 

−密着するのには、どんなメリットがありますか。

 

川島)密着すると、赤ちゃんは親に“しがみつく”ことができます。しがみつくということは、体に自然と力が入ります。そうすることで、意識せずとも腹筋が育っていけます。

生まれたばかりの赤ちゃんを布団に寝かせると、背中をグーンと反りますよね。実は赤ちゃんは、背筋に比べて腹筋がとても弱いんです。なので、腹筋を育てて体幹や姿勢を整えていくには、自然に腹筋を使えるような環境が必要です。

抱っこ紐によっては、パパ・ママと赤ちゃんの間に空白が生まれてしまうことがあります。これは必要以上に赤ちゃんの背中が丸まってしまい、腹筋を刺激しにくい。その上、内臓を圧迫するから消化などにも影響が出る。

 

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あとは、先ほどのM字開脚の話に戻りますが、足もダランと伸びている状態より、M字の方がお腹に力が入りやすいです。

 

腹筋が育つメリットは、体幹が鍛えられるという点以外に、腹圧が高くなる(お腹に力を入れられるようになる)ため、便秘の改善につながります。

また、しがみつくことが自然とトレーニングになるので、程よい疲れを感じ、夜、寝つきも良くなりますよ。

 

 

−腹筋があまり育たないと、どんなデメリットがありますか。

 

川島)最近よくあるのが、ハイハイをしないまま立ってしまうケースですね。

これは腹筋が育つ前に他の筋肉が育ってしまい、結果的にハイハイをスキップしてしまうのです。

「うちの子、成長が早い♡」ではないので、注意が必要ですよ。笑

 

ハイハイはとても重要な発達段階のひとつです。というのも、ハイハイをすることで腹筋、背筋、胸筋などが作られていくんですね。また、手のひらが刺激されるから、触感や握力なども育つ。

 

−ある保育園では、上半身を鍛え直すために、鉄棒の時間を多く取っていると聞きました。

 

川島)体幹トレーニングの一環として、部活でハイハイを取り入れている高校もありますよ。また、今、姿勢で悩んでいる小中学生の親御さんに話を聞くと、ハイハイ時代が極端に短かったり、なかったりしているケースが多いですね。

実は、体の歪みというのは、生まれたての赤ちゃんにもあるんです。お尻を自分の力で上げてハイハイをするというのは、赤ちゃん自身が歪みを直していける手段でもあります。

 

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−赤ちゃんの腹筋が育っているかどうかを見るチェックポイントはありますか。

 

川島)腹筋が育っていない赤ちゃんは、まず、座らせたときのお腹の横ジワが多い。お腹がパンと張っていなく、皮膚が折り重なるような感じです。それこそ、重なった部分にあせもができてしまうような。

また、「お尻を上げられるようになる」は、腹筋がきちんと育っているというポイントになりますね。

 

 

−そもそもの話ですが、なぜ「赤ちゃんの体幹を育てること」が大切なのでしょうか。

 

川島)体幹とは、分かりやすく言うと「胴体」です。この、胴体の筋肉がきちんと育っていれば、自分の骨や内臓をしっかり自分で支えられます。すなわち、正しい姿勢をキープできるんです。

 

例えば、成人の頭というのはボーリングの球くらいの重さがあるんですね。

赤ちゃんのころは「C」の形だった骨格も、だんだんS字カーブになっていきます。

このS字カーブがきちんと形成されていると、頭の重さが体に分散して、体への負担は最小限で済みます。

それが、骨を支える筋肉が弱いと正しい姿勢を維持できず、特定の場所に負担がかかります。これが、肩こりや腰痛などの「痛み」という形で出てくるんですね。

なので、私は「揉まずに治す専門家」と名乗っています。痛みは揉むことで一時的に楽になるかもしれませんが、根本的には姿勢を正すことが必要です。そして、正しい姿勢のためには体幹を育てる、すなわち胴体の筋肉を育てることが大事なんだということを患者さんにはお伝えしていますね。

 

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ボバは赤ちゃんの姿勢を育てるのに最適


 

−正しい姿勢をつくるスタートが、「M字開脚」と「腹筋を育てる」なんですね。

 

川島)そうです。なので、抱っこするだけで赤ちゃんが自然とM字開脚になり、密着することで無理なく腹筋に刺激を与えられるところが、ボバキャリアのいいところだと実感しています。

 

−ボバキャリアには、取り外し可能な足置きストラップがありますが、これはいかがですか。

 

川島)赤ちゃんが大きくなるとM字が崩れて足がダランとすることも考えられるので、足を置けるストラップがあるとM字開脚のサポートができていいですね。赤ちゃんは成長していくと、だんだん股関節がM字ではなくなっていきます(目安:生後半年頃)。本人が嫌がるまでは、ぜひストラップも併用してほしいですね。

 

 

−ボバには、一枚布のボバラップという抱っこ紐があります。海外では「小さめの赤ちゃんにはコレ」というクチコミもあるのですが、こちらはいかがですか。

 

川島)一枚布で、包まれる感じで抱っこできるのがいいですね。私たちの長男は小さく生まれたためNICUにいたのですが、そこでも赤ちゃんはみんな包まれていましたよ。

あとは、一枚布だから、どんな大きさの赤ちゃんでも対応できるのもポイントが高い。抱っこ紐は小さめの赤ちゃんだとサイズが合わず、どうしても隙間が生まれてしまい、丸まりすぎてしまうことがあります。

長男が生まれたときに出合いたかったです。笑

金具やプラスチックの部品がないのもいいですね。

 

ストレッチが効いてるから密着としがみつきのサポートには申し分ないし、密着できるから、M字開脚もしっかりできますね。

 

あとは、紐ではなく布なので、肩や腰に食い込むことがないのと、背中でも赤ちゃんの体重を支えられるのもポイントが高いですね。

抱っこ紐で首や肩を痛めて当院にいらっしゃるママさんたちも多いので、ぜひお勧めしたいですね。

 

「猫背は万病のもと」とも言われるくらい、悪い姿勢は体のあらゆる不調の引き金になります。

大切なお子さんを正しく美しい姿勢へ導くには、新生児からの縦抱っこ、それもM字開脚と腹筋への刺激がとても大切ですね。赤ちゃんと密着できるボバキャリア・ボバラップなら抱っこする大人の負担も少ないので、抱っこする側・される側どちらの視点で見ても、骨と姿勢の専門家としてお勧めしたいですね。

 

 

 

 

 


 

<お話を伺った先生>

川島一輝先生

みらい整骨院・整体院 院長。国家資格 柔道整復師。

「ひよこクラブ」産後の骨盤ケア院全国で選りすぐり30選に選ばれる。

年間120名もの妊産婦の骨盤ケアを行うほか子どもたちの姿勢矯正教室なども行う、骨と姿勢のスペシャリスト。2児の父。(2017年11月取材)

 

みらい整骨院・整体院

山口県下関市岬之町16-6下関ハイマート101号

http://www.seitai-mirainokenkou.com/

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(2017年11月取材)

インタビュアー=児玉隆志

文=片山きりん